紹介研究のその後
前の記事で紹介した論文の著者の一人、柿本正憲氏(現東京工科大学教授)へ引用の許可申請メールを送ったところ、快く許可いただいた。ありがとうございます! その際、この研究についての講演を記事にしたものをご紹介いただいたのでリンク。
- おもしろメディア学
他にも先生には、グレア効果の原因が光の回折であるというのは定説となっているとの事や、 今では、例えば Maxwell Render の SimuLens機能などで回折によるグレアを再現できる事など、いくつもの有用な知識をあわせてお教えいただいた。 まつ毛っぽいマスクを作ってこのSimuLens使えば、柿本先生と同様のシミュレートができそう。(なお値段。)
苦労話にも大いに共感した。つけまつ毛購入時の敷居の高さとか!今は百均で買えるので難易度低いが、それでもおっさんへんな汗出る。 他人への説明も難しい。眼球は共有できない。マツゲカメラはそれを完璧に解決した偉大な発明です。
余談だが私自身の苦労として、まつ毛ってワードが混じった途端検索結果が何やってもコスメ系に埋もれる点も指摘しておきたい。まともに調べられん。
後続の研究にこんなのがあった。
まつ毛、角膜、レンズ、水晶体などなど多重に考慮したシミュレーションでグレアを再現する研究。非常に参考になる。動画が分かりやすい。
まつ毛を避けた時に見えるグレアはこれだ。前回、瞳孔の形によるグレアがあると書いたが、他にも様々な要素が関係するらしい。 2009年でこれなら、今頃AfterEffectsのプラグインとかなっててもおかしくない。
まつ毛とまぶたのまばたきの動きも盛り込んだとのことだが、動画だと一瞬だった。もっとこう、まつ毛成分活躍してほしい。眩しくて目をすがめるとか演技させたらぐっと生々しい絵になるはず。
基本要素だけ抽出してみる(まつ毛視点)
上記のような全部盛りとは真逆に、「 そもそもまず、直線のまつ毛一本ならどうなるの? 」とも考える。これを別アプローチでやってる方がいらした。
DIYアナモルフィックレンズ / アナモルフィックレンズ風のフレアを再現する方法 (CGCompo)。
カメラレンズに糸張って撮影。この親近感よ 。糸一本でも見事にそれらしい光条が現れている。つまりまつ毛は、クロスフィルタの親戚だった訳だ。
一本マツゲカメラ
そういえばここまででは、 肉眼やマツゲカメラで光条が曲線になる点は説明できてない 。
まつ毛の反り具合が怪しいと思う。確かめるため、まつ毛一本のマツゲカメラを作ってみた。
できた! 素材は黒のテグス。
まず反りのない状態で撮ってみる。真っ暗な部屋で、豆電球を視野の色んな位置で撮ってGIFアニメ化。
なんだろうこれは……。次に反りを入れた状態。
なんか思ってたんと違う……。違うが、前回書いた、 ウロコっぽいフレア や、 豆型のフレア などが現れている。
また、カメラの向きや光源の位置に関わらず、フレアの出る位置が決まっている。これは、柿本教授の光源-まつ毛法線描画プログラムのドット位置であり、また画面上のマツゲの影に重なる。
もっといろいろやりたいが時間切れ。